豪アーティスト、腕に埋め込んだ「耳」をネットに接続
このニュースをシェア
【8月13日 AFP】オーストラリアのアーティストで大学教授のステラーク(Stelarc)さんが、腕に埋め込んだ「耳」をインターネットに接続し、不特定多数の人々が自分の行動を追跡し、聴くことができるようにする計画を発表した。
豪カーティン大学(Curtin University)教授のステラークさんはこれまで、ロボット工学と人工装具、そして人体の境界線を探求する作品を発表してきたアーティストだ。
ステラークさんはオーストラリア放送協会(ABC)に対し、「現在ますます、人は『体験』のインターネット・ポータルになってきている。想像してみてほしい。もし私がニューヨーク(New York)にいる誰かの耳を通じて聞くことができ、そして同時にロンドン(London)にいる誰かの目で見ることができたとしたら」と語った。
無線LANに接続可能な小型マイクを腕の「耳」に埋め込み、GPS(全地球測位システム)を身体に設置するという計画で、マイクについては「オンオフのスイッチはない」という。
「私がWi-Fi(ワイファイ)のホットスポットにいないか、自宅のモデムの電源を切っていれば、そのときは私はオフラインになっているだろうけれど、発想としてはこの耳を常時オンラインにしておくことが目標だ」
ステラークさんによると、この耳は「一部は手術で作られたもので、一部は細胞組織」という。「バイオポリマーの枠を腕に埋め込み、皮膚がその上に張り付けられ、6か月かけて土台の中で細胞組織が成長した。血液も供給されるのでこの耳は固定されるだけでなく、体の一部になる」
ステラークさんは過去に、外骨格を制作したり、胃に彫刻を埋め込んだり、ロボットアームによる第3の腕を使って字を書いたりするなどの活動を行っている。(c)AFP