【8月12日 AFP】大量絶滅期には地球上のどの優占種も、ある特定の場所に生息する弱小生物と同様に多大な影響を受け、脆弱であるとした研究論文が11日、発表された。

 英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された研究論文によると、過去5億年の間に地球では絶滅期が5回起きているとされる。そして現在、6回目の大量絶滅期を迎えているとされており、これは人類にとってはありがたくない可能性がある。

 前回の絶滅期は6600万年前に起きた。巨大な小惑星が、1億5000万年続いた恐竜時代に終止符を打ったと考えられており、絶滅のプロセス自体は比較的短期間だったとされる。

 研究論文の主著者で、英リーズ大学(University of Leeds)のアレキサンダー・ダンヒル(Alexander Dunhill)教授は、「現代の動物群の絶滅をめぐっては、全体的にその割合が高く、それは大量絶滅期中の化石記録に見られるものと同程度だ」と述べている。

 個体激減の大半は気候変動に関連したものだ。2億年前の三畳紀(Triassic)からジュラ紀(Jurassic)への移行期では、大陸的規模の巨大な火山爆発がそれを引き起こしたとされている。「生物は急激に変化する状況への適応が間に合わず、絶滅する」とダンヒル教授は語った。

 この時期の化石を調べてみると、生物種の約80%が絶滅していることが分かるが、研究者らによると、当初は地理的な優位性も存在していたという。しかし、三畳紀~ジュラ紀の大部分に見られる優位性は、三畳紀の終盤にかけて縮小し、最終的にはほぼ皆無となったとしている。

 ダンヒル教授は、2億年前の火山噴火で二酸化炭素や他の温室効果ガスが大気中に吐き出されたことを説明しつつ、今日では、人間の活動による自然環境の破壊や搾取が、新たな大量絶滅をもたらす主な起動力となっていると指摘している。(c)AFP/Marlowe HOOD