【8月10日 AFP】英国の海岸リゾートではおなじみの存在となっているカモメだが、今年の夏は行楽客の不意を突いてフィッシュ・アンド・チップスを奪ったり、ペットを襲ったりと、人々を恐怖に陥れている。

 英国の大衆紙はカモメの悪さに大にぎわいだ。各紙の紙面には、「カモメが私のiPhone(アイフォーン)を盗んだ」(サン(The Sun)紙)、「殺し屋カモメ、共食いの瞬間」(デーリー・メール(Daily Mail)紙)、「サイコシーガル(カモメ)、イリーガル(不法入国者)を追い払う」(デーリー・エクスプレス(Daily Express)紙)などといった見出しが躍っている。

 さらに高級紙まで加わって、サンデー・タイムズ(Sunday Times)は「カモメギャング、海辺であなたの軽食を盗む技を習得」と警告した。

 カモメは以前から残飯あさりとして嫌われてきたが、ここ最近はますます厚かましくなり、残飯ではなく人が持っているフィッシュ・アンド・チップスなどをわざと狙う。

 ブライトン(Brighton)で貝料理店を営む男性は「やつらはテロリストの訓練を受けているに違いない」とコメント。男性の店には、「カモメはあなたの食べ物をひったくります。ご注意ください。カモメの行為に当店は一切責任を負いません」との看板が掲げられていた。

 目撃者らが語ったカモメの手口はこうだ。まず1羽が標的の不意を突き襲いかかり、食べ物を落とさせる。そこに、大勢の仲間たちがやってきて、地面に落ちた食べ物をむさぼる。

 ブライトンにあるフィッシュ・アンド・チップス売店の従業員は「やつらはレモンとタバスコ以外は何でも食べる」「今まで見た中で最悪なカモメは、ホットドッグを持ったお婆さんの頭に乗っかったやつだ。お婆さんが思わず落としたホットドッグを、素早く持っていった。お婆さんは恐怖におののいていたよ」と語った。