【8月8日 AFP】4日間の日程で訪朝していた韓国の故金大中(Kim Dae-Jung)元大統領の妻、李姫鎬(イ・ヒホ、Lee Hee-Ho)夫人(93)が8日、期待されていた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記との面会は実現しないまま、帰国した。

 5日からの李夫人の訪朝は、表向きには人道支援的な訪問とされていたが、訪問を直接承認した金第1書記と面会するのではないかとの憶測を呼んでいた。しかし、李夫人の側近によれば訪朝中、金第1書記と同夫人が面会する機会はなかったという。

 故金元大統領は、孤立した核保有国の北朝鮮に対する「太陽政策」により2000年6月に金第1書記の父、故金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記との歴史的な南北首脳会談を果たし、同15日に南北共同宣言を発表した。

 李夫人は今回の訪問について、私的なものであり公的な使命は一切課せられていないと述べていたが、ソウル(Seoul)に帰国後、声明で、「6・15南北共同宣言の精神にささげる目的で訪問した」と語った。

 李夫人は今回の訪問以前に過去3回、北朝鮮を訪れており、2011年12月の金正日総書記の弔問の際には短時間だが、会葬者を迎えた金正恩氏と会っている。(c)AFP