【8月8日 AFP】イラク当局は7日、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)が、同組織が昨年6月以来支配する同国北部の都市モスル(Mosul)とその周辺で、これまでに2070人を「処刑」したと発表した。

 イラク議会のサリム・ジュブリ(Salim al-Juburi)議長は、「テロリスト組織ダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)によって、2000人以上に及ぶ罪のない市民が処刑された」ことを確認した。

 AFPがモスル市内と周辺でインタビューを行った情報筋によると、昨年6月10日にモスルがISに制圧されて以降、2070人が処刑された。同市の複数の住民の証言によると、ISがまとめたとみられるリストに2070人の名前が記載されており、その一部は地元保健省の施設の壁に張り出されていた。

 リストは、保健省職員が死亡証明書を配送するようにとのISの命令と共に送られてきたという。保健省法医学課の職員もこのリストを受けとったことを確認した。

 情報筋によると、リストに記載された人々はISにより「イスラムの教えを歪める考えを広めようとした」罪に問われたという。

 以前モスルに駐屯し、現在も同市におけるISの動向を監視する治安当局のある高官によると、2070人という数字は、モスルだけでなく昨年6月10日から今まで、モスルを州都とするニナワ(Nineveh)州全域における殺害された人々の数だという。

 処刑された人々のリストには、警察官や元軍士官、地元当局者、弁護士、ジャーナリスト、医師、権利活動家などが含まれている他、女性の名前も多く記載されていた。(c)AFP