【8月7日 AFP】学校の長期休暇が、言葉の綴り(つづり)や算数において悪影響を及ぼす可能性がこのたび、オーストリアのグラーツ大学(Graz University)の研究チームによって発表された。ただし影響は短期間で回復可能ともしている。

 独語科学誌「Psychologie in Erziehung und Unterricht(しつけと教育における心理学)」に掲載された論文によると、同研究チームは、10~12歳の児童182人を対象に調査を行い、その結果、9週間の夏休み終了後、同分野における児童らの学力に「著しい低下」がみられたという。これは最長9週間で回復できたという。

 一方、論文執筆者の一人である心理学者マヌエラ・ペシュター(Manuela Paechter)氏は、「反対に、読解力は休暇中に向上した」ことも明らかにしている。

 同氏は、海岸で読書をする機会はあるだろうが、作文や計算はあまりやらないといったことが関係している可能性があるとした。

 ペシュター氏は、「(児童が)休暇中にどれほどの時間を認識活動に費やすかが非常に重要だ」と述べ、また「全体としてみれば、学校がこれについて大きな役割を果たしていることが論文で示された」と指摘している。(c)AFP