【8月6日 AFP】2016年リオデジャネイロ五輪開幕まで1年となった5日、主催者は大会が街を変容させ、世界にスリルを届けるものになると誓った。

 リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)市のエドゥアルド・パエス(Eduardo Paes)市長は、巨大な五輪公園内にあるほぼ工事が完了したアリーナで行われた会見で、「すべての建設は予定通りに進んでいる」と語った。挑戦達成までの期間が12か月となる中、パエス市長は「マラソンの終盤」のような状況だと続けた。

 式典では、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長が準備状況を称賛し、ブラジルのジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領は、世界を「楽しませる」と明言した。

 パエス市長によると、すでに五輪公園は82パーセント、選手村は89パーセントが完成している。

 しかし、全体的に明るい状況も、セーリングとウインドサーフィンが実施されるグアナバラ湾(Guanabara Bay)の深刻な汚染が影を落としている。

 環境専門家によると、リオに住む約1200万人分の下水は、同湾にそのままの状態で流れ込んでおり、さらに、湾に流れ込む十数の河川にはゴミが浮いているという。また、本大会までに汚染の80パーセントを浄化するという招致当初の目標は、達成が難しいとされている。

 大会関係者はこの日、競技者の健康やボートなどに危険はないと再び表明。パエス市長は「セーリングの選手たちは守られることになる」としており、これまでに汚染は50パーセント浄化され、大会開催時にはこの数字が60パーセントになるだろうとしている。

 五輪については、リオデジャネイロのためになるものなのか、負担になる一過性のものなのかとの議論が巻き起こっているが、組織委員会のカルロス・アルトゥール・ヌズマン(Carlos Arthur Nuzman)委員長は、10年にも及ぶ投資不足を避ける絶好の機会になっているとコメント。「リオのインフラほど変革した都市はこれまでにない」と自信をのぞかせた。

 一方でパエス市長は、五輪の成功が世界に新たなブラジルを発信することになると、首長として野心をのぞかせた。

 パエス市長は、「すべてが遅れ、すべてが予算オーバーになる国」とされるブラジルに、「物事を予定通りに終わらせるという文化をもたらすというレガシー(遺産)が残されることになるだろう。私たちの違った側面をご覧に入れたい」とコメントした。(c)AFP