【8月6日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」のエジプトの傘下組織は5日、同国政府が収監しているイスラム教徒の女らを48時間以内に釈放しなければ、先月首都カイロ(Cairo)で拉致されたクロアチア人男性を殺害すると脅迫した。

 エジプトで2年前にイスラム主義組織による反政府活動が始まって以来、同国で過激派に拉致され殺害の脅迫を受けた外国人は、この男性が初めて。

 ISがインターネットに投稿した映像の中で男性は、ナイフを持った覆面の男の足元にひざまずいた姿勢で写り、フランス企業CGGで働いているトミスラブ・サロペック(Tomislav Salopek)と名乗っている。男性は1枚の紙を読み上げ、エジプト政府が収監しているイスラム教徒の女たちを釈放しなければ、自分は48時間以内に「処刑」されると述べた。

 男性はさらに、自分は7月22日にISの傘下組織でシナイ半島(Sinai Peninsula)を拠点とする「シナイ州(Sinai Province)」により拉致されたと語った。かつて「エルサレムの支援者(アンサル・ベイト・アルマクディス、Ansar Beit al-Maqdis)」と名乗っていた同組織は、昨年11月にISに忠誠を誓った際、名称を変更していた。

 一方、クロアチア外務省は、人質の男性をイニシャルで呼び、「クロアチア市民のT・S氏が置かれている困難な状況をできるだけ早く解決するため最善を尽くしている」と発表。またCGG社は、映像の男性が同社と下請け契約を結んだ職員で、7月22日にカイロ(Cairo)で拉致されたことを確認した。(c)AFP/Jay Deshmukh