【8月5日 Relaxnews】英ロンドン(London)のヴィクトリア&アルバート博物館(Victoria and Albert MuseumV&A)が、今年中に新たな複数のギャラリーを開設すると発表した。1600年から1815年にかけての欧州のアートとデザイン作品1100点が展示に加え、現代アーティストの作品も展示される。

 欧州の1600~1815年を網羅するギャラリーは合わせて7室。同博物館が掲げる「フューチャープラン」と呼ばれる改装計画の一環で行われる工事を経て、12月9日にオープン予定。この計画ではさらに、新しい入り口と中庭、特別展示室も設けることになっている。

 テキスタイル、ファッション、絵画、彫刻、陶芸作品、ガラス作品、家具、金属作品、版画、書籍などを一挙に展示できる7つの新ギャラリーには、同館の17~18世紀のコレクションが収蔵され、帝国の変遷や宗教、旅行、科学、工芸、レジャーといったテーマで分類されている。

 17世紀の彩色が施されたフランスの部屋、18世紀末のイタリアのミラーキャビネット、18世紀末のパリのキャビネットという歴史ある3つの部屋は、一時的に閉鎖して100以上の部分に解体した上で、新しいギャラリーに運び入れて組み立て直し、改めて展示されることになっている。

 館内のリニューアルを担当したのは、ロンドンの建築事務所ZMMA。歴史的スペースの改装に当たり、自然光がたっぷり入るよう工夫したという。ギャラリーは、紹介するそれぞれの時代とスタイルを強調するデザインになっており、バロックからロココ、新古典への様式の変遷を表現するため、宮廷内部の荘厳さや家庭内のくつろいだ雰囲気などを使い分けている。

 新ギャラリーの見所の一つは、「グローブ(The Globe)」と呼ばれる木の格子を組み合わせて作られた球体の建造物だ。「大きくて思考を膨らませるような作品」を依頼されたというキューバのアーティストグループ、ロス・カルピンテロス(Los Carpinteros)のマルコ・バルデス(Marco Valdes)とダゴベルト・サンチェス(Dagoberto Sanchez)が手掛けた。(c)Relaxnews/AFPBB News