【8月5日 AFP】子どもの食べ物の好き嫌いは、単なる一時的なものではなく、うつ病や不安神経症などの潜在的懸念に関する警告の合図である可能性があるとの研究結果が3日、発表された。

 米デューク大学医学部(Duke University School of Medicine)などの研究チームが米小児科専門誌「ピディアトリクス(Pediatrics)」に発表した論文によると、2~6歳の子どもの2割強に偏食がみられるという。このうちの約18%は中度の偏食、残る2%強は極度の偏食に分類された。

 食べ物に対して中度または極度の好き嫌いを示すこれらの子どものグループでは、臨床的うつ病や不安神経症などの精神衛生問題の発生率が高いことを研究チームは発見した。

 論文によると、偏食は栄養不良や家庭争議の原因となる可能性があるため、親や医療スタッフが、潜在する感情的問題のリスクを注視することが重要になると思われるという。

 論文主執筆者のデューク大摂食障害センター(Center for Eating Disorders)のナンシー・ザッカー(Nancy Zucker)所長は「摂食が非常に限定的か、えり好みが多いために、問題が生じる子どもも存在する」と述べ、また「機能障害は、さまざまな形を取る可能性がある。子ども本人の健康、成長、社会生活機能のみならず、親子関係にまで影響を及ぼす恐れがある。子どもは誰も自分を信じてくれないと感じ、親は問題の責任が自分にあると感じる可能性がある」と指摘した。

 また、偏食が深刻な難題となっている子どもには、医師らが「回避性・制限性食物摂取障害(Avoidant/Restrictive Food Intake Disorder)」と呼ぶ精神疾患がある可能性もある。

 食べ物は子どもにとって悩みの種となる可能性があるが、メンタルヘルスの専門家らは、行動療法を通じて一部の子どもに助けの手を差し伸べることができるとしている。(c)AFP