【8月3日 AFP】2015年上半期に取引された美術作品の総額が、これまで首位を独走していた中国を追い抜き米国が1位となった。アート市場関連情報の世界的大手、仏アートプライス(Artprice)の2015年報告書でこのたび明らかになった。

 米ニューヨーク(New York)で開催されたオークションで史上最高額で落札されたパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の絵画やアルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti)の彫刻などが全体の売上額を押し上げたとされる。

 AFPが入手した同報告書によると、米国で今年上半期に開催されたアート作品オークションでの売上総額は、昨年比20%増の28億ドル(約3470億円)で、中国の19億ドル(約2360億円)を大きく上回った。

 主な要因は、競売大手クリスティーズ(Christie's)が5月に開催したオークションで、パブロ・ピカソの「アルジェの女たち、バージョン0(The Women of Algiers, Version 0)」が競売市場最高額の約1億7900万ドル(約220億円)で落札されたことが挙げられる。

 他にも、アルベルト・ジャコメッティのブロンズ像「指さす人(Man Pointing)」が、彫刻としては競売史上最高額の約1億4100万ドル(約175億円)で落札されている。

 同報告書によると、2015年1月~6月の期間に世界でオークションに出品された作品の数は同期比で17%減。売上高も80億ドル(約9920億円)から5%減少して76億ドル(約9430億円)となった。(c)AFP