オーストリア皇太子と心中した女性の遺書を発見
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【8月3日 AFP】「私のしたことをお許しください、私には愛を拒むことはできませんでした」――オーストリア・ウィーン(Vienna)の金庫室から発見された別れの手紙には、126年前にオーストリア皇太子と心中したマリー・ベッツェラ(Mary Vetsera)男爵令嬢の最期の言葉がつづられていた。
オーストリア国立図書館(Austrian National Library、ONB)によると、この貴重な書簡は、銀行員らが保管文書の整理をしているときに偶然発見された。1926年からここに保管されてきたという。同図書館は声明で「誰かがベッツェラ家の私的な手紙や写真が入った革製のフォルダーを預けた。中には、マリー・ベッツェラの1889年の遺書も含まれていた」と発表した。
母親ヘレンへの手紙にはこう記されている。「お母様/私のしたことをお許しください/私には愛を拒むことはできませんでした/殿下のご意志に従って、アランドの墓地で殿下の隣に埋葬していただきたいのです/私にとって生きるよりも死に至る方が幸せなのです」
同図書館は、映画化や小説化もされた世紀の大恋愛の一つが、これらの書簡によって明らかになることを期待しているとコメントしている。
当時17歳10か月だったマリー・ベッツェラと、30歳だったルドルフ皇太子(Crown Prince Rudolf)の遺体は、1889年1月にウィーン郊外の狩猟用ロッジで発見された。母親やきょうだいたちに宛てられたマリーの複数の手紙は、皇太子の封蝋(ふうろう)で閉じられた封筒に入っていた。書簡の科学的調査は8月に開始される。(c)AFP