【7月31日 AFP】スーパーアース(巨大地球型惑星)を3個持つ、明るい矮(わい)星を中心星とする惑星系を発見したとの観測報告が30日、発表された。このうちの1個は、溶岩が流れる火山惑星の可能性が高いという。

 国際天文学誌アストロノミー&アストロフィジックス(Astronomy and Astrophysics)に発表された論文によると、惑星4個からなるこの惑星系は、北半球から見えるM字型の星座、カシオペヤ座の方向に、地球から「わずか」21光年の位置にあるという。

 惑星系は中心星と惑星4個で構成されており、巨大惑星1個とスーパーアース3個が中心星「HD219134」を周回している。

 スーパーアースの質量は地球より大きいが、海王星、土星、木星などのガス状巨大惑星よりは小さい。ガスか岩石、またはその両方でできている可能性がある。

 公転軌道が最も短く、公転周期が3日の惑星「HD219134b」は、地球との位置関係が適しているため、中心星の前を横切る恒星面通過(トランジット)現象が観測されている。

 地上からの観測と、米航空宇宙局(NASA)のスピッツァー宇宙望遠鏡(Spitzer Space Telescope)を用いた観測により、HD219134bの質量は地球の4.5倍、大きさは地球の1.6倍であることが分かった。

 今回の研究に参加した天文学者らが所属するスイス・ジュネーブ大学(University of Geneva)が発表した声明によると「HD219134bの平均密度は地球の密度に近く、地球に類似した組成である可能性があることを示唆している」という。

 論文共同執筆者のステファン・ユードリ(Stephane Udry)氏は、AFPの取材に「HD219134bは中心星に非常に近い。温度は427度程度だ」と語った。「表面は熱で溶けており、火山が点在する溶岩世界のようになっている可能性が高い。生命に適した環境ではないだろう」

 HD219134bは、主星のいわゆる「ハビタブル・ゾーン(生命生存可能領域)」内には位置していないため、生命に必要とされる液体の水は存在しないと思われる。

 惑星系にあるHD219134b以外のスーパーアース2個については、同惑星の次に主星に近いものは質量が地球の2.7倍で公転周期が6.8日、その外の軌道を周回するもう1つは質量が地球の8.7倍で公転周期が47日だ。

 研究チームによると、残る1つの巨大惑星は、主星からさらに遠い軌道を周回しており、公転周期は3年だという。(c)AFP