米大統領選、話題さらう「放言家」トランプ氏
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【7月26日 AFP】新聞の見出しを独占し、風刺家を大笑いさせ、米共和党の本流派をいらつかせているのは、2016年米大統領選の同党候補者指名争いに名乗りをあげている不動産王のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏だ。6月16日に出馬を表明して以来、刺激的な発言や暴言を繰り出してほぼ連日メディアをにぎわせ、ホワイトハウスを目指すレースを乗っ取っているかのようだ。
先週行った演説では、共和党予備選のライバル、リンゼー・グラム(Lindsey Graham)上院議員を「取るに足りない人間」と切り捨てると、同議員が4~5年前に電話を掛けてきて選挙運動の献金を依頼してきたことを暴露。「なんなんだこの男は。物乞いか?」と苦言を呈した後、グラム議員の携帯電話番号を読み上げ、電話するよう聴衆に呼び掛けた。続いてリック・ペリー(Rick Perry)前テキサス(Texas)州知事について「支持率が実に低い。知的な人間だと見せかけるために眼鏡を掛けている」とコメントした。
さらに民主党の指名候補争いの先頭を走るヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏については「わが国の歴史上最悪の国務長官」だったとけなし「彼女は負ける、そして負かすのは私だ」と述べた。
トランプ氏の動向を楽しんでいる米国人も、うんざりしている米国人もいる。ワシントンの政治に飽き飽きしている大勢の有権者たちは、トランプ氏は自分たちの声を代弁していると言い、ケーブルテレビはトランプ氏の一挙手一投足を伝えている。
バスケットボールの元スター選手、デニス・ロッドマン(Dennis Rodman)氏は24日、ツイッター(Twitter)で50万人のフォロワーに対し「(トランプ氏は)長年の偉大な友人。他の政治家は要らない。トランプ氏のようなビジネスマンが必要だ!トランプ・2016」とつぶやいた。
英世論調査会社ユーガブ(YouGov)が24日に発表した共和党有権者の最新の世論調査では、トランプ氏の支持率が28%でトップで、2位のスコット・ウォーカー(Scott Walker)ウィスコンシン(Scott Walker)州知事の13%を大きく上回っていた。
トランプ氏の発言にみられる厚顔ぶりや突飛な行動は、共和党、民主党を問わず他の候補たちのより慎重な発言が注目される余地をほとんど残さない。「ローゼンバーグ・アンド・ゴンサレス・ポリティカル・レポート(Rothenberg and Gonzales Political Report)」の創始者スチュアート・ローゼンバーグ(Stuart Rothenberg)氏は米NBCニュースに対し「ドナルド・トランプは、同じ部屋にいる全員の分の酸素を吸ってしまっている」とたとえた。