【7月24日 AFP】米歌手の故マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんのサウンドエンジニアが23日、自身のコンピューターに未完成のジャクソンさんの曲20曲が保存されていると発表した。一方で、公開する権利を持っておらず、誰にも聞かせることができないとしている。

 マイケル・ダラム・プリンス(Michael Durham Prince)氏は仏大衆紙パリジャン(Le Parisien)に対し、「今のところ曲のタイトルを書くことも、聞いてもらう権利も持っていない」と語った。

 米ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)によると、2009年に鎮痛剤の過剰摂取によりジャクソンさんが死去した数か月後に、ジャクソンさんの遺産を管理する代理人とレコード会社ソニー(Sony)は2億ドル(約250億円)の契約を結んだという。

 この契約でソニーは、その時点から10年にわたって、ジャクソンさんの新曲やリミックス曲を含むアルバムを7枚までリリースできる権利を取得した。ジャクソンさんの死後、2010年と昨年、すでに1枚ずつアルバムが発売されているが、ソニーは23日、AFPの取材に、目下リリースに向けて作業している作品はないと述べた。

 1995年からジャクソンさんが亡くなるまでサウンドエンジニアを務めたプリンス氏は、ドイツでパリジャン紙の取材に対し、「自分のコンピューターに未発表のマイケルの曲が20曲保存されている。いずれも未完成だ」と語った。

 プリンス氏によると、ジャクソンさんはそれら未完成曲のコーラス部分を歌っていないため、もしソニーとジャクソンさんの遺族から許可が下りてリリースが実現すれば、コーラス部分を担当する「誰かを見つけなければならない」、「つまりデュエットになる」と話している。

 プリンス氏は、将来ジャクソンさんのアルバムがさらにリリースされるだろうと信じているとしながらも、「ただ今のところは6か月ごとに新曲を出すことを考えている」としている。

 ジャクソンさんは2009年6月25日、50歳で死去。英ロンドン(London)で複数のコンサートを控え、その準備を行っていた最中だった。(c)AFP