トルコ軍とISが過去最大の交戦、双方に死者
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【7月24日 AFP】シリア国境に近いトルコのキリス(Kilis)で23日、トルコ軍がイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」によってシリア国内から銃撃を受け、トルコ兵1人が死亡した。これを受けてトルコ軍は直ちにシリアのISの陣地に激しい攻撃を加えた。
トルコ軍が出した公式声明によると、国境のシリア側にいるISの「テロリスト」5人がトルコ側のキリスにいた兵士らを銃撃し、下士官1人が死亡、軍曹2人が負傷したという。
その後直ちにトルコ軍第5機甲旅団の戦車4台が出動、シリア内のIS拠点に向けて反撃。「ISのテロリストらの車両3台を砲撃して甚大な被害を与えた」としている。
さらにトルコ軍は、IS戦闘員1人を殺害し、その死体と、IS側が使用していたロケットランチャー1基と自動小銃1丁を収容したとしているが、その際、部隊が国境を越えてシリア側に入ったかどうかについては明らかにしていない。
2013年にISがイラクとシリアの広い範囲を制圧し始めトルコ国境の近くまで勢力を広げるようになってから、トルコ軍との間では最大の交戦となった。トルコとISとの緊張は急激に高まっている。
20日にはシリア国境に近いトルコ南部のスルチ(Suruc)で自爆攻撃が発生。トルコ側はISの犯行と断定、以後クルド人が多数を占めるトルコ南東部で暴力行為が急増している。この攻撃ではシリア支援の準備をしていた若い活動家らが標的となり、最年少の18歳を含む32人が犠牲になった。
トルコ政府は、ISとつながりがあり半年前から行方不明になっていた20歳の男が自爆攻撃を行ったと発表した。トルコ政府が、国内で攻撃を実行したとしてISを名指ししたのは初めて。
トルコはシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権の打倒にISが役立つかもしれないという考えからISと共謀しているという批判を受けていたが、トルコ側はこれを断固否定してきていた。(c)AFP/Stuart WILLIAMS