【7月21日 AFP】自宅、車、高級腕時計、そして妻の宝石――米当局は、国際サッカー連盟(FIFA)の元副会長ジェフリー・ウェブ(Jeffrey Webb)被告が、これらの個人財産で自身の保釈金1000万ドル(約12億4000万円)を工面したことを明らかにした。

 米当局が19日に公開した書類によると、大規模な汚職スキャンダルに関与した疑惑について無罪を主張したウェブ被告は、保釈金の一部として妻が所有していた2014年型のレンジ・ローバー(Range Rover)も手放したとしている。

 ウェブ被告は18日、世界のサッカー界を揺るがすことになった米司法省の捜査において、一連のスキャンダルに関与したとされているFIFAの元役員としては初めて米ニューヨーク(New York)の連邦裁判所に出廷した。

 ウェブ被告はまた、巨額の保釈金を支払うために、米連邦捜査局(FBI)にロレックス(Rolex)、カルティエ(Cartier)、ブライトリング(Breitling)、ウブロ(Hublot)、そしてルミノール(Luminor)など計11点の高級時計を提出したとされている。

 そしてウェブ被告の妻は、ダイヤモンドのブレスレット、真珠のネックレスなど高級な宝石を手放している。

 英国とケイマン諸島の二重国籍を持つウェブ被告は、FBIにパスポートも没収されており、米ブルックリン(Brooklyn)にある裁判所の半径20マイル(約32キロ)圏内にとどまらなければならない。

 スイス・チューリヒ(Zurich)でほかのFIFA役員6人と一緒に逮捕されたウェブ被告は、自宅があり、家族も暮らしている米国への引き渡しにただ一人応じていた。

 合計14人の被告人は全員、24年間にわたり総額1億5000万ドル(約186億円)に上る賄賂や見返りについて、要求したり受け取ったりした事実を否認している。

 ロレッタ・リンチ(Loretta Lynch)司法長官は、5月に47件の起訴状を明らかにし、サッカー関係者やマーケティング関係者について、脅迫、有線通信不正行為、資金洗浄を共謀したとしている。

 ウェブ被告は、FIFAの副会長に加え、ケイマン諸島サッカー協会(CIFA)と北中米及びカリブ海諸国を統括する北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)の会長を兼任していた。

 検察側は、ウェブ被告についてスポーツマーケティング会社のトラフィック・スポーツUSA(Traffic Sports USA)から700万ドル(約8億7000万円)以上の賄賂を受け取り、その見返りに同社当時の会長を務めていたアーロン・ダビッドソン(Aaron Davidson)氏は、サッカーの大会において独占権の契約を結んでいたとされている。(c)AFP