拘束の人権派弁護士が「自白」、中国国営メディア
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【7月20日 AFP】中国では今月に入ってから、人権活動に携わる弁護士や活動家の拘束や連行が続いているが、国営メディアはこのたび、著名弁護士の1人が拘束から1週間後に「罪を告白した」と報じた。
複数の人権グループによると、中国では今月、公安当局によって拘束されたり事情聴衆の呼び出しを受けたりした弁護士らの数が130人を超えており、その中には、著名な人権活動家の周世鋒(Zhou Shifeng)氏も含まれていたという。
周氏は、大手乳製品製造会社が製造・販売した有毒の粉ミルクで被害を受けた家族に法的援助を提供したことがあるほか、今年に入ってからは、中国共産党への批判で拘束された作家(81)の弁護も担当していた。
一部の情報では、周氏は、家族が指名した弁護士との面会が許されなかったとされているが国営新華社(Xinhua)通信は18日夜、同氏が「罪を認め」、「2度目のチャンス」を懇願したと報じている。
新華社によると、周氏の法律事務所と関連のある他の弁護士9人と、数人の若手弁護士が拘束されたが、その理由は明らかにされていないという。
国営の中国中央テレビ(CCTV)は19日、周氏とともに拘束された弁護士らの「自白」について40分近くにわたり報じた。このなかで、弁護士らが、法廷で主張したり、録画・撮影したりするなど、繰り返し「迷惑行為」を行ったとして拘束されたと伝えられた。
「違反」としてCCTVが強調したものには、これ以外にも、裁判所の外でデモを組織したり、裁判費用をネットで調達したりしたことなどがあった。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によると、今月9日以降、公安当局により拘束・連行された弁護士や活動家の数は、一時的なものを含めて200人を超えている。中国在住の活動家らの集計では、そのうち、弁護士は少なくとも130人いるという。(c)AFP/Tom HANCOCK