【7月11日 AFP】米政府職員の個人情報や身辺調査情報を扱うデータベースが狙われ2000万人以上の情報が盗まれた2件のハッキング事件で、情報を管理する米連邦人事管理局(Office of Personnel ManagementOPM)のキャサリン・アーチュレッタ(Katherine Archuleta)長官が10日、辞任した。

 アーチュレッタ長官は、中国の関与が疑われているハッキング事件が明らかになった後、厳しい批判を浴びていた。データの不正アクセスにより、現・元米政府職員や採用候補者、契約職員、警備上の手続きのために身辺調査を受けた人々とその配偶者の社会保障番号など、2150万人分の個人情報が漏えいし、先月発表された別のハッキングと合わせて約2210万人が被害を受ける結果となった。

 2013年11月に就任したアーチュレッタ長官は、「私が辞任して新しい長官を迎え、OPMが今回の事件を乗り越えることが最善策であると大統領に伝えた」と述べた。

 ホワイトハウス関係者は、バラク・オバマ( Barack Obama)大統領が「アーチュレッタ長官の辞任を受け入れ、これまでの奉仕に感謝した」と述べ、11日からはベス・コバート(Beth Vobert)氏が長官代理を務めることを発表した。

 米国では今回のハッキング事件に対する憤りが高まっており、政府関係者は関与が疑われる中国への対応に苦慮している。中国側はハッキング事件に関する関与を否定している。(c)AFP/Rob Lever