【7月10日 AFP】米コンピューター大手IBMは9日、「スマートフォンから宇宙船まであらゆるもの」の演算能力を増強できる新たな半導体チップを開発したと発表した。

 同社が発表したのは業界初の線幅が7ナノメートルの半導体チップ。200億個のトランジスタの集積が可能になり、処理能力が向上する。

 このチップの開発は、同社の30億ドル(約3600億円)の研究開発の一環で、韓国のサムスン電子(Samsung Electronics)とニューヨーク州立大学オールバニ校(University at Albany, State University of New York)のグローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries)との共同研究によるもの。

 現在、コンピューターや他のデバイスで使用されている多くのマイクロプロセッサは線幅が14~22ナノメートルのもの。最新の7ナノメートルの技術では、「電力性能が少なくとも50%改善する」としている。

「7ナノメートル・ノードのトランジスタを初めて実現させたことは半導体産業全体にとって画期的な出来事だ。われわれは今後も現在の能力の限界を超える努力を続けていく」と同大学のマイケル・リーア(Michael Liehr)氏は言う。

 研究では既存の素材の物理的限界をうまく避けることに重点が置かれ、チップの処理能力を向上させるシリコン・ゲルマニウムのトランジスタの開発に成功した。(c)AFP