【7月10日 AFP】米連邦人事管理局(Office of Personnel ManagementOPM)は9日、米政府職員の個人情報や身辺調査情報を扱うデータベースが狙われた2件のハッキング事件の最新調査結果を公表し、被害者が合わせて2210万人に上っていたと明らかにした。

 OPMは先月、ハッキングにより現・元職員および採用候補者420万人分の個人情報がアクセスされた可能性があると発表していたが、今回新たに別のハッキングで身辺調査対象者1970万人と、主に採用候補者の配偶者や同居人など180万人の計2150万人分の個人情報が盗まれたと明らかにした。OPMは、2件は別々のハッキングだったが「互いに関連があるサイバーセキュリティー事案」だとしている。

 キャサリン・アーチュレッタ(Katherine Archuleta)OPM長官は9日、電話会議形式の記者会見で、2度目のハッキングの被害者2150万人のうち360万人は先月発表された420万人の中に含まれており、2件合わせた被害者は2210万人になると明らかにした。

 アーチュレッタ長官によると、ハッカーは社会保障番号のほか、採用希望者の健康・財政状態、犯罪歴の有無、家族構成などの情報に不正アクセスしていた。さらに110万人分の指紋情報も盗まれていたという。

 OPMは声明文のなかで、2000年以降に身辺調査対象となった人たちが今回のサイバー攻撃の被害を受けた可能性が非常に高いと発表している。

 アーチュレッタ長官は、今回のサイバー攻撃で流出した情報が悪用されたとの報告はないとしたうえで、情報の悪用を防ぐため被害を受けた可能性がある人たちの個人データを無償で監視する予定だと語った。

 OPMへのサイバー攻撃については先月、ジェームズ・クラッパー(James Clapper)米国家情報長官(Director of National Intelligence)が、中国が関与した疑いが最も強いとの見方を示していたが、9日の記者会見では中国への言及はなかった。(c)AFP/Rob Lever