遺伝子操作の植物種子に「魚油」、環境への負荷軽減にも 英研究
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【7月9日 AFP】オメガ3脂肪酸を含む「魚油」を、遺伝子組み換え油料種子作物を用いて畑で栽培可能にする新技術を開発したとの研究報告が、初年度の試験栽培結果とともに英国チームから発表された。
この技術は、さらに研究を進めることで、従来より持続可能性の高い魚油の供給源となる可能性がある。養殖場では、魚を育てるのに魚油が欠かせないものとなっている。
魚油は、英ロンドン(London)北のロザムステッド研究所(Rothamsted Research Institute)で栽培されたアブラナ科アマナズナ属の脂肪種子植物の種子から得られたものだ。
養殖魚は、魚油をそのまま、または魚粉に含まれる形で大量に摂取する。これはかねてより、環境への影響に関する懸念を招いてきた。
研究の対象となったの脂肪種子植物は、海洋生物にみられるDNA配列に基づく一連の合成遺伝子を導入することで、特殊な遺伝子組み換えを施したもの。
研究チームは7日、専門誌「メタボリック・エンジニアリング・コミュニケーションズ(Metabolic Engineering Communications)」に掲載された論文で、初年度の試験栽培結果を公表した。
今回のプロジェクトを率いるジョナサン・ネーピア(Johnathan Napier)教授は「これは、養殖場向け飼料の真に持続可能な供給源を開発する取り組みにおいて、世界的に重要な概念実証であり、画期的な節目となる」とコメントしている。
なお、この植物の種を人間が直接摂取するのは不可能だという。(c)AFP