ユーロ圏緊急首脳会合、新提案提示しなかったギリシャを非難
このニュースをシェア
【7月8日 AFP】ギリシャのアレクシス・チプラス(Alexis Tsipras)首相は7日、ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で開かれたユーロ圏19か国の緊急首脳会合に臨んだ。さらなる緊縮策には反対という国民投票の結果を背負ったギリシャがこの日提示するはずだった、同国のユーロ圏残留に不可欠となる新たな緊縮策に関する具体的提案は用意されておらず、欧州首脳らは同国を非難した。
前日6日に就任したばかりのユークリッド・ツァカロトス(Euclid Tsakalotos)財務相もユーロ圏財務相会合(ユーログループ、Eurogroup)に出席したが、イェルン・デイセルブルム(Jeroen Dijsselbloem)議長(オランダ財務相)によるとギリシャは翌8日にさらなる融資を正式要請する見通しにもかかわらず、新たな改革案を提出しなかったという。
ユーロ圏全体の緊急首脳会合の直前に、チプラス首相はドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相、フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領、ジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)欧州委員長と4者会合を行った。
あるギリシャ政府筋は、同国政府が先月30日に提出した提案の修正版を用意したと話していた。先月30日といえば、同国に対する金融支援策が期限切れとなり、国際通貨基金(International Monetary Fund、IMF)に対して事実上の債務不履行に陥った日だ。
しかし全体会合の場に到着したメルケル首相は、巨額の債務を抱えたギリシャが2010年以降3度目となる救済プログラムを受けるための「交渉のたたき台となるものがまだない」と明かした。自国内でギリシャに対する厳しい姿勢を貫くよう強い圧力を受けているメルケル氏は、「もはや残り数週間ではなく数日で決着すべき話だ」と指摘した。
またオランド大統領もギリシャに対し「真剣で説得力のある提案」を提示するよう促すとともに、ギリシャがユーロ圏に残留するためには「今週中に結論を出さなければならない」と述べた。(c)AFP/Alex PIGMAN