【7月5日 Relaxnews】今年10月、英国の首都ロンドン(London)は世界の都市で初めてバス、電車、地下鉄すべての公共交通を電気化する。ロンドン名物の2階建てバスにも、電池で走行する電気自動車が採用される。

 大気汚染対策のために、道路上に渡した電線を介して電力を供給するトロリーバスや、ディーゼルと電気のハイブリッドバス、天然ガスで駆動するバスなどを採用している都市は、すでに欧州や米国に存在する。しかし、公共交通すべてを電気化するというロンドン交通局の今回の決定は世界初となる。

 ロンドンのボリス・ジョンソン(Boris Johnson)市長はロンドン市庁舎での発表会見で「EV(電気自動車)の2階建てバスは、走行に必要な電力を供給するバッテリーが大きいために、多くの人が不可能だと考えていた」と述べた。バッテリーが大きくなると、その分、乗客が使用できるスペースが狭くなるだけでなく、バッテリーが重いためにより多くの電力が必要になるというジレンマが発生する。つまり、1回の充電で走ることのできる距離が短くなる。

 その問題を解決するため、ロンドン市はEVバスメーカー大手の中国企業BYD社と提携。ジョンソン市長によれば、10月からBYD社製のゼロエミッションの2階建てバスが、ロンドン市内の16号線を試験走行する。

 環境にやさしいことはもちろん、EVバスは振動が発生しないので静かで快適な乗り心地が得られる。これからは、EVバス自体がロンドン観光の目玉となるかもしれない。(c)Relaxnews/AFPBB News