財政緊縮策への賛否を問う国民投票始まる、ギリシャ
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【7月5日 AFP】(一部更新、写真追加)欧州連合(EU)などの債権団から課された財政緊縮策への賛否を問うギリシャの国民投票が5日午前7時(日本時間同日午後1時)に始まった。投票所になっている学校や大学の建物前には数十人が列を作った。
投票は午後7時(同6日午前1時)に締め切られる。大勢が判明するのは午後9時(同6日午前3時)以降の見通し。
今回の国民投票の結果はユーロ圏の将来を決める可能性があるため、EUは不安を抱きながら注視している。ユーロ圏指導者の多くは、結果次第でギリシャが圏内に残留するか離脱するかが決まると認識している。
約半年前に就任した急進左派連合のアレクシス・チプラス(Alexis Tsipras)首相の政治家としての命運はこの国民投票にかかっている。同首相は約1週間前に、5か月間行き詰まりが続いた国際債権団との交渉を打開するため国民投票を実施する意向を表明。国民投票で緊縮策に反対する国民の意思が示されれば、巨額の債務の整理と金融支援の条件の大幅な緩和につながるとしてきた。
ただし、当初はチプラス首相を支持していた国民の多くはEU指導者らの警告に耳を傾け、緊縮策賛成に転じている。ジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)欧州委員長をはじめとする指導者らは、国民投票で反対が示された場合、ギリシャが19か国で構成されるユーロ圏からの離脱を余儀なくされる可能性があると指摘している。
国民投票の数日前から、スーパーマーケットの陳列棚は空になっている。首都アテネ(Athens)で金融関係の仕事をしている女性(51)は、「最悪の事態を見越して食料品を買いだめしている人が多い」と語った。国内では砂糖や小麦粉、パスタをはじめとした食料品をカートに山積みにして運んだり、袋に大量に詰め込んだりして小売店から出て来る主婦や高齢の男性、大学生らの姿が見られている。
アテネ市内で投票を終えたチプラス首相は記者団の取材に応じ、「決然として生き、自らの運命は自らの手で決めるという人々の意志を無視することは誰にもできない」と述べた。(c)AFP/Marc BURLEIGH and Ella IDE