チュニジアのビーチリゾートで銃撃、38人死亡
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【6月27日 AFP】(一部更新)チュニジア北部スース(Sousse)郊外の地中海(Mediterranean Sea)に面したリゾート地、ポートエルカンタウィ(Port el Kantaoui)の海岸で26日、ビーチパラソルの中に銃を隠していた男が発砲し、38人が死亡した。近代チュニジア史で最悪の襲撃事件となった。
事件が起きたのは同国の首都チュニス(Tunis)から約140キロ南のスース郊外にある五つ星ホテル「ホテル・リウ・インペリアル・マルハバ」(Hotel Riu Imperial Marhaba)で、目撃者によると、現場はパニック状態となった。
同国保健省は当初、襲撃による死者は39人と発表していたが、ハビブ・シド(Habib Essid)首相は後に38人と訂正。保健省関係者はAFPに対し、当初の死者数には殺害された容疑者が含まれていたと説明した。
同ホテルの親会社であるスペインのRIUグループの広報担当は、宿泊客565人のほとんどが英国、または中欧の国々から訪れた観光客であると明らかにした。英国のフィリップ・ハモンド(Philip Hammond)外相はロンドン(London)で、現在までに英国人5人の死亡が確認され、今後、死者数は増える可能性もあると述べた。
またアイルランドのチャールズ・フラナガン(Charles Flanagan)外相はダブリン(Dublin)で、犠牲者の中にアイルランド人女性1人が含まれていると発表した。
チュニジア内務省のラフィク・シェリー(Rafik Chelli)次官(治安問題担当)は同国ラジオ局モザイクFM(Mosaique FM)に対し、容疑者はチュニジア人の学生で、警察に名が知られていなかった人物であり、「ビーチパラソルに銃を隠し、泳ぎに行くような格好でビーチに侵入して発砲した」と語った。
事件に関する犯行声明は出されていないが、26日には他にも、クウェートのイスラム教シーア派(Shiite)のモスク(礼拝所)で自爆による襲撃事件があり27人が死亡、フランスではイスラム過激派とみられる容疑者が工場で1人を殺害する事件が発生した。イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」がクウェートでの襲撃事件に関する犯行声明を出した。6月29日は、ISが「カリフ制国家」樹立を宣言してから1年に当たる。(c)AFP/Kaouther Larbi with Ines Bel Aiba in Tunis