【6月24日 AFP】道路の騒音が激しい地域に住んでいると寿命が短くなり、心臓発作を起こす可能性が高まるという研究結果が24日、欧州心臓病学会（European Society of Cardiology）の医学誌「ヨーロピアン・ハート・ジャーナル（European Heart Journal）」に発表された。

 ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院（London School of Hygiene and Tropical Medicine、LSHTM）の研究チームは、2003～10年にかけて英ロンドン（London）市内の騒音のレベルと死亡数や入院データを比較。 日中の道路の騒音が60デシベル（dB）を超えている地域では、55デシベル以下の静かな地域より、死亡数が4％以上多かった。

 世界保健機関（World Health Organization、WHO）は、住宅地の騒音が55デシベル以上になると健康に問題が生じる恐れがあるとしている。

 騒音が激しい地域は静かな地域に比べて住民が心臓発作で入院する割合が5％高く、この割合は高齢者の間では9％になることもこの論文は明らかにした。夜間の道路の騒音が55～60デシベルの地域では心臓発作の割合が高齢者の間でのみ5％高まることも分かった。

 研究チーム以外の専門家も、騒音がもたらす健康リスクの増大は小さいが、リスクが高まることは明らかだとコメントしている。今回の研究結果は、騒音によって循環器疾患の要因となる高血圧やストレスが増えるという他の研究内容とも合致している。(c)AFP