ドイツ当局、エジプトの要請で身柄拘束の記者を釈放
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【6月23日 AFP】ドイツ当局は22日、エジプトの要請を受けて2日前に身柄を拘束していた中東の衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)のアハメド・マンスール(Ahmed Mansour)記者(52)を釈放した。マンスール記者はエジプト出身。同記者の身柄拘束については、複数の人権団体から非難の声が上がっていた。
エジプトと英国の国籍を持つマンスール記者は20日、カタールの首都ドーハ(Doha)行きの飛行機に乗るはずだった独ベルリン(Berlin)の空港で身柄を拘束された。同記者に対しては昨年エジプトの裁判所で開かれた欠席裁判で、拷問などの罪で禁錮15年が言い渡されていた。同記者はいずれの罪についても「ばかげている」として否認している。
アラビア語圏で最も知名度の高いテレビジャーナリストの一人とされるマンスール記者の釈放を受け、アルジャジーラの広報担当は「ドイツ検察当局の決定を歓迎する」と述べるとともに、同記者に対するあらゆる容疑は取り下げられたことも明らかにした。
ドイツ検察当局は短い声明を出し、「法律上の観点と、政治・外交上の懸念が発生する可能性」を考慮し、マンスール記者の身柄引き渡しには応じず、釈放を命じたと発表した。
これに先立ちドイツ外務省報道官は、アブデルファタフ・サイード・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)エジプト大統領の政敵が同国で一斉逮捕され死刑に直面する中、シシ大統領政権下の法の支配のあり方に懸念を表明していた。
さらに同報道官は、エジプトで死刑が容認されていることに触れ、「ドイツは死刑に処される可能性のある人物の身柄引き渡しには決して応じない」と伝えていた。(c)AFP/Kate Millar