【6月21日 AFP】アフガニスタン南部ヘルマンド(Helmand)州政府関係者によると、同州マルジャ(Marja)地区で20日、路肩爆弾が爆発し、少なくともアフガニスタン人家族14人が死亡、5人が負傷した。イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」が18日に始まって以降、初の大規模な襲撃事件となった。

 事件に関する犯行声明は出されていないが、同州はアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)の拠点で、毎年夏になると同グループによる攻撃件数が増加する。同国のイスラム教指導者は、ラマダン中の攻撃を停止するようタリバン側に求めたが拒否されていた。

 ヘルマンド州のモハマド・ジャン・ラソルヤール(Mohammad Jan Rasolyar)副知事はAFPの取材に対し、「マルジャ地区で発生した路肩爆弾の爆発により、14人が死亡、5人が負傷した。被害者は皆同じ家族の出身だ」と述べた。同副知事によると、被害者家族の乗ったミニバンは、日没後の食事「イフタール(Iftar)」の直前に路肩爆弾被害に遭った。

 一方、同州警察署長は、女性と子どもを含む16人が死亡し、3人が負傷したと語り、また地元の民族首長は、事件後被害に遭った乗用車から遺体を取り出す作業の際、数えた遺体が15体だったと話している。

 タリバンの影響が根強く残る同州のマルジャ地区は、2010年初めに行われた米軍主導のタリバン掃討軍事作戦の焦点だった。タリバンは、今年4月下旬より同国政府や外国人への攻撃を全土で強化しており、今年の戦闘シーズンは過去10年間で最も被害が大きくなると予測されている。

 国連アフガニスタン支援団(United Nations Assistance Mission in AfghanistanUNAMA)によると、今年最初の4か月間で一般市民1000人弱が死亡し、昨年と比べ急激な増加を見せているが、タリバンによる攻撃増加も大きな要因となっているという。(c)AFP/Mamoon Durrani