【6月16日 AFP】(一部更新)シリア北部で、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に制圧されたトルコ国境付近の町テルアビヤド(Tal Abyad)の奪還作戦を開始したクルド人部隊は16日までに、同町の全域を掌握した。英国に拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が発表した。

 同監視団によると、クルド人民防衛部隊(Kurdish People's Protection UnitsYPG)は国境検問所を制圧し、ISが「首都」と称しているシリアの都市ラッカ(Raqa)とをつなぐ南方への重要な補給路を断った後、テルアビヤドへ進攻。16日朝までに町全域を掌握した。少なくとも戦闘員40人が死亡したIS側は、支配下にある町アインイッサ(Ein Issa)へと逃走した。

 今回のYPGの進軍は、テルアビヤドを死守しラッカとトルコ国境間の主要供給ラインを確保するために戦っていたISにとって打撃となる。同町をめぐる衝突では、多くの民間人が避難し、先週以降で約2万人が越境してトルコ側に逃れている。(c)AFP