【6月12日 AFP】胸焼けを抑える市販の制酸剤は、心臓発作を起こすリスクを20%高めることにつながるという研究結果が11日、発表された。

 この研究は、米スタンフォード大学(Stanford University)の科学者らによるもので、約300万件の保健記録を使って、大量のデータからある傾向を見つけ出す、いわゆるデータマイニングに基づいており、その論文は米科学誌「プロスワン(PLoS ONE)」に掲載された。

 研究対象となったのは、プリロセック(Prilosec)やネキシウム(Nexium)、プレバシド(Prevacid)といった、プロトンポンプ阻害薬(proton-pump inhibitor, PPI)として知られる医薬品。世界で最も広く処方されている薬の一部で、その売上は年間約140億ドル(約1兆7300億円)。

 研究では、制酸剤が心臓発作を引き起こすとは証明しておらず、(心臓発作への)明らかなつながりがあるとしている。だが、研究者らは、これらの医薬品による血管内壁への影響に問題があると考えている。

 一方、別の種類の制酸剤でヒスタミンH2受容体拮抗薬、またはH2ブロッカーとして知られている薬は、心臓発作のリスクの高まりを示していない。H2ブロッカーにはザンタック(Zantac)やタガメット(Tagamet)などがある。(c)AFP