【6月11日 AFP】イラクのムハンマド・バヤティ(Mohammed al-Bayati)人権相は10日、同国ティクリート(Tikrit)近郊で昨年にイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」により殺害されたとみられる犠牲者597人の遺体をこれまでに掘り起こしたと発表した。

 ティクリート近郊のスペイサー(Speicher)軍事基地の名を取って「スペイサーの虐殺」と呼ばれているこの大量殺害事件について、バヤティ人権相はバグダッド(Baghdad)で記者団に「スペイサーの虐殺による597人の遺体を掘り起こした」と述べた。

 昨年6月、スペイサー軍事基地に所属していた主にイスラム教シーア派(Shiite)の若い新兵らがIS戦闘員やIS支持派の武装集団に拉致された。

 ISが公開した写真や映像により、新兵らは拉致された後、複数の場所で処刑されたことが明らかになった。

 今年4月にイラク政府軍がISからティクリートを奪還して以降、チグリス川(Tigris River)に投げ込まれた遺体や、地中に慌ただしく埋められていた遺体が次々と見つかっている。(c)AFP