【6月10日 AFP】スペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)のジョゼップ・マリア・バルトメウ(Josep Maria Bartomeu)会長が9日、次期会長選に立候補するため辞任すると発表した。バルセロナは今季、相次ぐ訴訟問題に悩まされながらも3冠を達成している。

 バルトメウ会長は記者会見に臨み、「新たな選挙の実施に向けて辞表を提出した。有権者は次の6年間でクラブに望むモデルを選ばなければならない」と語った。

 スペインでは多くのクラブが民間企業の形態をとっているが、バルセロナはクラブの会員が6年ごとに執行部を選出することになっている。 

 現執行部の任期は2016年までとなっているが、バルトメウ会長は自身に対する批判に立ち向かうため、会長選を前倒しして実施する決断を下した。

 今季のバルセロナは、ルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督とリオネル・メッシ(Lionel Messi)の衝突に揺れたが、最終的にはスペイン1部リーグ、スペイン国王杯(Copa del Rey 2014-15)、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2014-15)の3冠を達成した。

 そして9日にはエンリケ監督との契約が2017年6月まで延長されることが発表され、両者の不和は立ち消えた形となった。 

 2014年に辞任したサンドロ・ロセール(Sandro Rosell)前会長の後を引き継いだバルトメウ会長は、会員による選挙で選ばれたわけではなく、一連のスキャンダルによってその立場は不安定になっていた。

 スペインの裁判所は3月、バルセロナが2013年にネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)を獲得した際、契約を複雑化することで実際に費やした金額を隠ぺいしたとして、クラブと執行部を起訴している。

 裁判の日程は決まっていないものの、もし有罪が確定すれば、ロセール前会長とバルトメウ会長には実刑判決が言い渡され、クラブには2220万ユーロ(約31億円)の罰金が科されるとみられている。

 バルセロナはまた、ユース選手と契約を結ぶ際に、国際サッカー連盟(FIFA)の規定に違反したとして、2016年1月までの移籍禁止処分を受けている。

 この処分に対する異議申し立てが認められなかったバルトメウ会長は1月、自身に対する圧力を弱めるため、会長選を前倒しして今夏に実施すると発表していた。

 バルトメウ会長は、「私は私のクラブモデルを守りたい。われわれがいい仕事をしていることに疑いはなく、バルサは世界のサッカーをリードし続けなければならないと信じているからだ」 と語っている。

 2003年から2010年まで会長を務め、バルセロナの復権に大きく貢献したホアン・ラポルタ(Joan Laporta)氏は、数か月前から2度目の会長就任へ意欲を示しており、会長選に立候補するとみられている。(c)AFP