【6月10日 AFP】英金融大手HSBCは9日、全世界で最大5万人の人員削減を行う方針を明らかにした。同行はブラジルとトルコからの撤退を発表しており、現在ロンドン(London)に置いている本社を創業地のアジアへ戻す可能性も示唆した。

 欧州最大の銀行HSBCは今後2年半に、50億ドル(約6200億円)のコスト削減を目指す考え。同行には収益増を目指すとともに、外国為替市場の不正操作疑惑をはじめとする近年取り沙汰され同行のイメージ悪化を招いたスキャンダルを過去のものにしたい狙いがある。

 またロンドンに本社を置いている現状を見直す作業を行っており、年内には結論を出すとしている同行は、事業の焦点をアジア、特に中国南部の珠江デルタ(Pearl River Delta)地域に当てたい意向を示している。

 スチュアート・ガリバー(Stuart Gulliver)最高経営責任者(CEO)は本社の移転先候補に関し、広東(Guangdong)に「第二の香港(Hong Kong)を生み出す機会にはなる」と述べた。

 HSBCによると、世界全体で1割の人員削減を視野に入れ、2万2000~2万5000人の解雇を考えているという。さらにトルコとブラジルでの事業売却に伴い2万5000人が解雇されるとしているが、うち全員または一部が売却先企業に引き続き雇用される可能性はあるとしている。(c)AFP/Roland Jackson with Laura Mannering in Hong Kong