【6月9日 AFP】地球温暖化による気温上昇の進行は、降雨のパターンに劇的な影響を及ぼし、鉄砲水の発生リスクを高めるとした研究結果が8日、発表された。

 英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)」に掲載された論文で、豪ニューサウスウェールズ大学(University of New South Wales)の土木工学者チームは、過去30年間に豪州で発生した暴風雨4万件近くのデータを分析した。

 分析の結果、気温の上昇に伴い、より激しい豪雨の発生リスクが増大することが分かったという。そして、豪雨が激しくなると、短時間のうちに大量の雨水が河川に流入することも指摘されている。

 論文主執筆者のコンラッド・ワスコ(Conrad Wasko)氏は「激しさを増す降雨の傾向は、より破壊的な暴風雨へとつながり、洪水時の流量に顕著な影響を及ぼす可能性がある」と説明。さらに「今回研究対象とした気候帯は、世界の大半の気候を代表するものとなっているため、今後同様の傾向が世界的に観測される可能性は非常に高い」と続けた。

 国連(UN)の「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate ChangeIPCC)」によると、現在の炭酸ガス排出の傾向がこのまま続くと、2100年までに最大4.8度の気温上昇が起きる可能性があるという。(c)AFP