【6月9日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は8日、スキャンダルで揺れる国際サッカー連盟(FIFA)に向けて、「痛みは伴う」ものの、改革は不可欠であると訴えた。

 世界のサッカーを統括するFIFAの危機について、バッハ会長は、招致をめぐり買収が行われた2002年のソルトレークシティー冬季五輪の時よりも、深刻な状況であると述べている。

 バッハ会長は、スイス・ローザンヌ(Lausanne)のIOC本部で、「われわれは過去の経験から、すべてを白日の下にさらすことは痛みを伴うが、絶対に必要であるということを知っている。われわれは、過去にそれを目撃してきた」と語った。

「それは、IOCが信頼を回復した唯一の方法だった」

 バッハ会長は続けて、「われわれとしては、FIFAに対して改革の遂行を選択するように促していくしかない。FIFAが、本質的な改革に備えているであろうあることを評価する」と述べると、FIFAを取り巻く今回の騒動に比べれば、2002年の冬季五輪に絡む問題の規模は、何でもないという見解を示した。

 IOC理事会が行われた後、61歳のバッハ会長はメディアに対して、「影響力の違いは計り知れない」と主張した。

「ソルトレークシティー大会で起きた問題は、現在FIFAで起きている騒動とは、まるで比較にならない」

「問題の本質は同類かもしれないが、その規模を比べることは難しい」

 バッハ会長は、FIFAの幹部7人が逮捕され、汚職スキャンダルが発覚した直後にチューリヒ(Zurich)で開かれたFIFA総会で演説を行い、出席者に対して、汚職疑惑の「全容解明」に向けて大規模な捜査に全面協力するよう求めていた。(c)AFP/Eric BERNAUDEAU