【6月8日 AFP】厳重な警備体制が敷かれた米ニューヨーク(New York)州の刑務所から殺人罪で服役中の受刑者2人が脱獄した事件で、州警察当局は7日、警察犬やヘリコプターを投入して大規模な捜索を続けている。アンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)州知事は、2人の身柄拘束につながる情報に10万ドル(約1250万円)の懸賞金をかけたと発表した。

 カナダとの国境に近い同州北部ダニモーラ(Dannemora)のクリントン刑務所(Clinton Correctional Facility)から脱獄し逃亡しているのは、リチャード・マット(Richard Matt)受刑者(48)とデービッド・スウェット(David Sweat)受刑者(34)。隣り合わせの房室に収容されていたが、6日朝の点呼時に不在が発覚した。5日夜~6日早朝の間に脱獄したとみられる。

 2人は、電動工具で房室の壁や刑務所内の配管に穴を開けて脱走。ベッドの上にトレーナーなどの衣類を置き、寝ているように見せかけていた。穴の開けられた配管には、からかうように「良い一日を!」と書かれたメモが貼られており、逃げる際に2人が残したものとみられている。

 クオモ州知事は、2人が脱走に使った電動工具の音が聞こえなかったはずはないと述べた。

 脱獄の発覚から36時間が経過しても2人の行方は分かっておらず、州警察当局は2人がどこかで車を調達したか外部に協力者がいた可能性を指摘。「どこにいても不思議ではない」と警戒を強めている。(c)AFP