ロシアとカタールのW杯、不正有れば開催権剥奪も FIFA幹部
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【6月8日 AFP】汚職事件に揺れる国際サッカー連盟(FIFA)幹部が、ロシアとカタールで開催される予定となっている2018年と22年のW杯について、投票過程での不正が見つかれば、両国が開催権を失う可能性があると話した。7日、スイス紙が報じた。
FIFAの監査・コンプライアンス委員会の委員長を務めるドメニコ・スカラ(Domenico Scala)氏は、ゾンタークス・ツァイトング(SonntagsZeitung)紙に対し、「カタールとロシアが賄賂によって(W杯の)権利を得たという証拠が存在するのなら、無効となる可能性もある」と話した。
しかしながら同氏は、今のところ「そうした証拠は提示されていない」とも話している。ロシアとカタールがW杯の開催権を剥奪される可能性についてFIFAの幹部が口にしたのは、汚職事件後ではこれが初となる。
スイスの司法当局は、広範囲にわたる腐敗の調査の一環として、ロシア大会とカタール大会の招致過程についてもすでに調べ始めている。またW杯招致では、2010年の南アフリカ大会(2010 World Cup)についても疑惑が持ち上がっている。
この件では、汚職問題の中心人物である元副会長のジャック・ワーナー(Jack Warner)氏が、賄賂を受け取っていたとの報道も出ている。
FIFAを揺るがせている汚職問題では、現職のFIFA理事らにスポーツマーケティング会社幹部を合わせた計14人が、米司法省から起訴されている。彼らは20年にわたってリベートの授受を繰り返し、合計1億5000万ドル(約186億円)の贈収賄を行っていたとされている。
汚職の発覚は、サッカー界全体を混乱に陥れており、先週には、長くトップに君臨したジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が、5選からわずか数日で辞任を発表する事態に追い込まれた。
ブラッター氏は起訴されておらず、本人もやましいところはないと発言しているが、かつての同氏の右腕、ワーナー氏の周囲には疑惑が渦巻いている。(c)AFP/Nina LARSON, Susan NJANJI