G7サミット、ドイツで開幕 ウクライナ情勢でロシアに強硬姿勢
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【6月8日 AFP】先進7か国(G7)首脳会議(サミット)が7日、ドイツで開幕した。議長国ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領をビアガーデンでもてなして関連日程を始めた。
しかし、日中に笑顔を見せていた米独の両首脳は、オバマ大統領の言うウクライナへの「侵略」に関してロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に厳しい警告を発した。米ホワイトハウス(White House)の声明によると、「両首脳は…対ロシア制裁がいつまで続くかは、ロシアによるミンスク合意(ロシアとウクライナの停戦合意)の完全な実施とウクライナの主権尊重にはっきりとリンクさせるべきだという点で合意した」という。
ウクライナ東部における政府軍と親ロシア派との戦闘が最近再び激化している中、日本の安倍晋三(Shinzo Abe)首相とカナダのスティーブン・ハーパー(Stephen Harper)首相は6日、G7出席のためドイツに向かう途中ウクライナの首都キエフ(Kiev)を訪問し、ウクライナ政府への支持を表明した。
またオバマ米大統領は、財政危機に見舞われているギリシャに言及こそしなかったものの、今回のG7首脳会議の最優先の議題は「雇用と機会を創出するための世界経済」、「強力で繁栄した欧州連合(EU)を維持すること」だと述べた。
ギリシャ問題はG7首脳会議の大きな議題となっているが、メルケル首相は気候変動、イスラム過激主義、女性の権利、公衆衛生、貧困問題など、他の地球規模の問題にも焦点を当てたい考えだ。
メルケル首相は、山積する世界的な課題での合意形成を目指しつつ、バイエルン(Bavaria)州の絵本に出てくるような草地と素晴らしい山々を背景に欧州第一の経済大国ドイツの素朴な一面をアピールしたい意向だ。
会場周辺には気候変動問題やエボラ出血熱などの深刻な病気への一層真剣な取り組みを求めて各国首脳に圧力をかけようという非政府組織も詰め掛けており、2万2000人以上の警察官がG7サミットの会場を取り囲んで警備している。(c)AFP/Richard CARTER/Frank ZELLER