【6月5日 AFP】(一部更新)マレーシアのボルネオ島(Borneo Island)で5日発生したマグニチュード(M)6.0の地震で、震源に近いキナバル山(Mount Kinabalu、4095メートル)で有名な奇岩群の1つが破損したほか、落石で登山客数人が負傷、137人が山中に足止めされていることが分かった。道路や建物にも被害が出ているもようだ。

 米地質調査所(US Geological SurveyUSGS)によると、震源はボルネオ島サバ(Sabah)州の州都コタキナバル(Kota Kinabalu)の東方54キロで、震源の深さは10キロ。

 地元紙ニュー・ストレーツ・タイムズ(New Straits Times)は当局者の話として、キナバル山を登山中だった少なくとも4人が落石のため骨折したり頭部をけがしたりしたと伝えている。サバ州のマシディ・マンジュン(Masidi Manjun)観光・環境相によると、137人が「ゆっくりと慎重に」下山を試みており、85人からなるチームが救助に向かっている。登山客には外国人も含まれているとされる。

 また、マンジュン観光・環境相はマイクロブログのツイッター(Twitter)への投稿で、キナバル山の山頂付近にある花こう岩の奇岩の1つ「ドンキーズ・イヤー(ロバの耳、Donkey's Ears)」が今回の地震で破損したことを明らかにした。2つ並んで突き出た岩のうち、1つが折れたという。

 ソーシャルメディア上には、損壊した道路や割れたショーウインドー、ひびの入った壁や床、棚から落ちたものが散乱した部屋など、地震の大きさをうかがわせる画像が多数投稿されている。地元住民の1人の話では、揺れは15秒間ほど続き、地震の瞬間は「レンガ壁にトラックがぶつかったような衝撃を感じた」という。(c)AFP