【6月1日 AFP】米議会上院は5月31日、対テロ情報収集活動の根拠となってきた「愛国者法(Patriot Act)」関連規定の延長をめぐる審議を再開したが、共和党のランド・ポール(Rand Paul)上院議員が改革案に反対し、合意には至らなかった。規定は6月1日午前0時(日本時間午後1時)に失効する。

 2016年の大統領選に出馬表明しているポール議員は、数時間に及ぶ審議が物別れに終わった後、「愛国者法は今夜失効する」と述べた。

 31日の上院では、国家安全保障に関わる「愛国者法」の規定に修正を盛り込んだ「米国自由法案(USA Freedom Act)」が審議された。同法案は先月14日に下院で可決されており、国家安全保障局(National Security AgencyNSA)が行っていたテロとは無関係の通話記録の大規模収集活動の禁止が盛り込まれている。

 しかし、ポール議員は同法案の優先採決を阻止するとともに、「愛国者法」の延長につながるあらゆる手段を拒否した。その結果、米国民の通話記録収集のほか、テロ容疑者の通信傍受や追跡を認める規定が31日いっぱいで一時停止に追い込まれる。

 ただ、規定の停止はあくまで一時的なものとなる見込みで、上院議員らは今月2日か3日までには改革案が可決されるとみている。(c)AFP/Michael Mathes