【6月1日 AFP】4月25日に発生したマグニチュード(M)7.8の大地震で8600人以上が死亡したネパールで5月31日、学校が正式に再開され、教室に子どもたちの姿が戻った。その多くは家や家族を失くし、今なお心に傷を負っている。

 制服姿の子どもたちはまだがれきが残っている中を歩いて登校し、運動場に建てられた竹やテントの仮設教室での授業に出席した。地震で多くの学校が全壊または大きく損壊した。

 カトマンズ渓谷(Kathmandu Valley)の国立マダン・スマラク(Madan Smarak)学校では、絵を描いたり遊んだりする低学年の子どもたちに先生が寄り添っていた。一部の児童は安心した様子で、ある程度は普段の状態に戻っているようだった。上級生たちは、地震について語り、家族の出来事を話し合うよう促された。

 ゴビンダ・ポウデル(Govinda Poudel)校長は「まだ正規の授業ではありません。教師たちには、子どもたちが地震で受けた心の傷を乗り越え、再び学校生活に適応できるよう支援するための研修を受けさせました」と語った。

 学校再開は当初5月17日に予定されていたが、5月12日にマグニチュード(M)7.4の余震があったため延期されていた。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は、過去25年間で小学校の就学率が64%から95%以上に改善したネパールの教育環境が今回の地震で悪化する恐れがあると警告していた。

 一部の学校では仮設教室が完成していないため授業を再開できずにいる。カトマンズ渓谷にあるルパク・メモリアル・インターナショナルスクール(Rupak Memorial International School)の校長は、「私のところでいますぐ授業を再開するのは不可能です。運動場はがれきでいっぱいで、空いている土地がありません」と語った。(c)AFP/Paavan MATHEMA