【5月31日 AFP】仏パリ(Paris)市当局は6月1日から、世界中からやって来た観光客がセーヌ(Seine)川に架かるポンデザール(Pont des Arts)橋をはじめとする市内各所に掛けた「愛の南京錠」を取り除く作業を始めることになった。市当局は、除去する南京錠は約100万個、総重量は45トンに上るとみている。

 ポンデザール橋では2008年から、各国から訪れた恋人たちが自分たちの名前を記した南京錠を欄干に取り付け、その鍵をセーヌ川に投げ込んで永遠の愛を誓うようになっていた。

 しかし昨年、錠の重みでポンデザール橋の一部が壊れたため、当局は橋に南京錠を掛けられなくするアクリル板の設置や、「自分撮り(セルフィー)」を勧めるメッセージを発信するなどの対策を取った。それでもポンデザール橋のみならずパリ市内のあちこちで情熱的に南京錠を掛け続ける恋人たちを止めることはできなかった。

 恋人たちが南京錠を掛けて愛を誓うという行為の起源は定かではないが、今ではパリにとどまらず、欧州各地の大都市をはじめ、遠くはアフリカ北部モロッコのマラケシュ(Marrakech)や中国にも広がっている。(c)AFP/Ambre TOSUNOGLU