英ウィリアム王子もFIFAに改革を要求―「できなければファンは味方してくれない」
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【5月31日 AFP】英国のウィリアム王子(Prince William)が30日、汚職スキャンダルに揺れる国際サッカー連盟(FIFA)に対して改革を求め、「フェアプレーの利益を優先し、サッカーを第一に推し進めることができる」組織であることを示すべきだと語った。
イングランドサッカー協会(FA)の総裁を務めるウィリアム王子は、ロンドン(London)のウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われたFAカップ(FA Cup 2014-15)決勝の前にFIFAについて言及し、スポンサーにも改革を後押しするよう求めた。
今週発覚した汚職スキャンダルでは、スイスのチューリヒ(Zurich)で幹部7人が逮捕され、サッカー関係者18人が起訴されている。そのため、ウィリアム王子はFIFAにとって今週は「ソルトレークシティー・モーメント」だったと表現している。
国際五輪委員会(IOC)のメンバーだったマーク・ホドラー(Marc Hodler)氏が、2002年のソルトレークシティー冬季五輪の招致活動において、複数のIOC幹部が票の見返りに報酬を受け取っていたことを告発し、IOC改革の引き金になった。
FAカップ前に行ったスピーチでウィリアム王子は、「フェアプレーの精神と、このスポーツの上層部による国際的に長期にわたってはこびっている不正行為の間には、大きな隔たりが存在しているように思う」と述べた。
「今週チューリヒで起きた出来事は、FIFAにとってソルトレークシティー・モーメントだ。IOCも同じように深刻な疑惑にまみれた時期を経験した」
「FIFAもIOCのように、自らがフェアプレーの利益を優先し、サッカーを第一に推し進めることができる組織であることをただちに示さなければならない」
ウィリアム王子はまた、各国のサッカー協会や、FIFAの資金を援助するスポンサー陣に対し、力強い改革を押し進めるようプレッシャーをかけるべきとの見解を示した。
「FIFAを支えるスポンサーや各協会は、改革を推し進めるという本分を果たさなければならない。われわれはフットボールをしているのであって、われわれが実行しなければ、ファンは味方してくれない」
マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)で最高経営責任者(CEO)を務めたデヴィッド・ギル(David Gill)氏は、今回の「大地を揺るがす」スキャンダルが辞任に値することを理解しようとしないジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長の下で働くことは「無益」として、FIFA副会長の座を辞しており、ウィリアム王子はギル氏の決断を賞賛している。
「今回の岐路にあたり、デヴィッド・ギル氏が職を辞するという決断をしたことを賞賛する輪に私も加わりたい。そうすることで模範を示し、いい方向に導きたい」
(c)AFP