【5月30日 AFP】米国政府は29日、キューバに対するテロ支援国家指定を解除した。半世紀ぶりの両国の国交回復に向け大きな一歩となった。

 キューバは1982年に米国によりテロ支援国家に指定されていた。キューバの指定解除により米国にテロ支援国家指定されているのはイラン、シリア、スーダンとなった。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は今年初頭、キューバに対するテロ支援国家の指定を解除する方針を示していたが、米国務省は29日、指定解除について「最終決定」され「本日、実行された」ことを認めた。

 指定解除は、米議会でこの措置に反対する決議案が出されないまま期限の45日間が経過したことから発効した。キューバがテロ支援国家のリストから外れたことは政治的だけでなく、同国による米国の金融機関の利用を可能にすることから、経済的にも大きな意味も持つ。

 また、キューバがテロ支援国家のリストから外れることは、両国が双方の大使館を再開するための前提条件であるとも見られている。

 しかし、米ホワイトハウス(White House)は29日、キューバが民主化プログラムと、米外交官らとキューバ反体制派との自由な面会に抵抗していることから、大使館再開の日程は未定であることを認めた。ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト(Josh Earnest)大統領報道官は29日、「今後も何とか解決しなければならない課題はあるが、先週開催された話し合いでは大きな進歩があった」と述べた。(c)AFP/Jo Biddle, Andrew Beatty