【5月28日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)の幹部らが収賄などの疑いで逮捕、起訴されたことを受け、最高権威のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長に辞任を求める怒りの声が、各所から集まり始めている。

 FIFAの年次総会を目前に訪れた今回の危機。しかし、チューリヒ(Zurich)の高級ホテルで27日、7人の役員が逮捕されたにもかかわらず、FIFAは総会と会長選を予定通りに行う姿勢をまったく崩しておらず、ブラッター会長もそのつもりで準備を進めている。

 しかし現在、コカ・コーラ(Coca-Cola)、アディダス(Adidas)、マクドナルド(McDonald's)、ビザ(Visa)など、FIFAに多額の資金を提供してきたトップスポンサー各社は、不正の一掃を求めている。

 これに加えて新聞各紙も、「不正のW杯」の存在が米司法当局の捜査によって暴かれた今、そうしたFIFAの姿勢は受け入れられないと主張している。

 米当局によると、今回の件で起訴されたのは14人で、うちサッカー関係者は9人。被告らは、合計で1億5000万ドル(約185億円)を超える贈収賄など、長きにわたって不正を繰り返してきたとされ、有罪となった場合は最大で禁錮20年が科される可能性もあるという。

 当局の調査によると、南アフリカで開催された2010年のW杯(2010 World Cup)招致に関連して、現地関係者から1000万ドルがFIFAに渡った疑いがあるという。またスイスの警察当局は27日、2018年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)、2022年のW杯カタール大会(2022 World Cup)招致に関する捜査の一環として、チューリヒのFIFA本部へ家宅捜索に入った。