アイルランドで同性婚合法化、国民投票では世界初
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【5月24日 AFP】アイルランドは23日、国民投票の結果で同性婚が合法化される世界初の国家となった。同国首都ダブリン(Dublin)では同性婚の支持者たちが歓声を上げたが、依然として同国で強い影響力を持つカトリック教会にとっては大きな痛手となった。
同性婚を認める憲法改正の是非を問う住民投票は前日の22日に行われ、国全体の投票率は比較的高く、60%を超えた。正式な開票結果によると43選挙区中40選挙区で開票が終わった時点で同性婚賛成が62.3%を占めた。公営テレビのRTEによると、残りの選挙区でも同性婚賛成が多数を占めることが確実となった。
ダブリン城(Dublin Castle)の敷地内には、多くの同性婚支持者が集まり、同性愛のシンボルである虹色の旗を振って祝福した。
「パンティ・ブリス(Panti Bliss)」の芸名でドラァグクイーン(女装パフォーマー)として活躍し、同性婚合法化キャンペーンの先頭に立ったロリー・オニール(Rory O'Neill)さんは、パーティー会場にタイトなワンピースとハイヒールで登場。「アイルランド人にとっては最高の日よ!」と話した。
カトリック教会が依然として政治・社会的に大きな影響力を発揮し、1993年まで同性愛、96年まで離婚が違法とされ、母親の命が危険にさらされていない限り、いまだに妊娠中絶が法律で禁止されているアイルランドにとって、同性婚の合法化は地殻変動級の変化を意味する。
アイルランドのカトリック教会のリーダー、ダームイッド・マーティン(Diarmuid Martin)ダブリン大主教は、RTEに対し「教会はあらゆる面で徹底的に現実を把握する必要がある。われわれは若者たちの心から離れてしまったのだろうか?」と語った。マーティン大主教は、同性愛者の権利は「結婚の定義を変えることなく尊重されるべきだ」として今回の住民投票で反対票を投じるよう呼びかけていた。
一方、今年に入り同国の閣僚として初めて同性愛者であることを公言し、将来のリーダーとしても期待されているレオ・バラッカー(Leo Varadkar)保健相はRTEに対し、同性婚の合法化は「社会的革命だ」と述べた。「アイルランドは世界で初めて、国民投票で同性婚を合法化し、それを憲法で規定する国になった」と述べた。(c)Conor Barrins and Robin Millard