【5月22日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)の会長選に立候補していたルイス・フィーゴ(Luis Figo)氏とミカエル・ファン・プラーク(Michael van Praag)氏が21日、そろって出馬を取りやめた。

 これにより、候補者は、現職のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長とヨルダン出身のアリ・ビン・アル・フセイン(Ali Bin Al Hussein)王子の2人に絞られた。

 29日に行われる会長選では、1998年に就任し5選を目指すブラッター会長の優位が伝えられており、元ポルトガル代表の主将を務めたフィーゴ氏は出馬取りやめにあたり、選挙戦を非難した。

 フィーゴ氏はフェイスブック(Facebook)上で、「投票を恐れてはいないが、このプロセスに付き合う気も、このプロセスを受け入れる気もない。5月29日にサッカー界に勝者が現れることはないだろう」とコメントした。

「私の決断は下された。FIFA会長選と呼ばれるものに立候補はしない」

 同日、オランダサッカー協会(KNVB)会長のプラーク氏も立候補を取り下げ、アリ王子への支援を表明した。

 アヤックス(Ajax)の元会長で、1月に立候補を表明したプラーク氏は、「信頼性を失っている」FIFAの近代化を訴えており、FIFAは疑惑にまみれ、利害関係の衝突、縁故主義、汚職にむしばまれていると指摘している。

 2011年からFIFAの執行委員を務めているアリ王子は、FIFA内でコネクションを持ち、予算も十分なことから、ブラッター会長を追いやる絶好のチャンスを得ていると観測筋は見ている。

■アリ王子にとって「最大のチャンス」

 67歳のプラーク氏は、アリ王子がブラッター政権を崩す「最有力候補」と見なしている。

 アムステルダム(Amsterdam)で会見を行ったプラーク氏は、「私は彼(アリ王子)がブラッター氏に対し、十分な票を獲得し得る最も有力な候補者だと強く信じている」と語り、自身の提言が数多くアリ王子の政策に反映されることを条件に、アリ王子への支持を表明した。

 会長選は29日にスイス・チューリヒ(Zurich)のFIFA本部で行われ、FIFAに加盟する209の連盟・協会から過半数を得た候補者が会長に就任する。

 ブラッター会長は、欧州サッカー連盟(UEFA)を除くほぼ全ての地域の連盟・協会から強い支持を受けている。(c)AFP