【5月22日 AFP】マレーシア政府は21日、海上で漂流している数千人の難民の捜索救助活動を命じた。一方ミャンマーは同日、米国ならびに東南アジア諸国の政府当局者を首都に招き、難民問題で協議した。

 現在東南アジア沖では、迫害を受けたイスラム系少数民族ロヒンギャ人や、経済的に困窮しているバングラデシュ人ら数千人が漂流を余儀なくされているとみられている。マレーシアとインドネシアは20日、これまで掲げてきた難民上陸拒否の方針を撤回すると発表。今回マレーシア政府が出した救助命令は、その方針転換を受けた最初の積極的な対応となった。

 マレーシアのナジブ・ラザク(Najib Razak)首相はフェイスブック(Facebook)上に「人命の損失を防がなければならない」と投稿し、この救助命令を発表した。一方インドネシア外務省報道官はAFPに対し、同国は類似の命令は出していないが、これから検討すると述べた。

 またマレーシアとインドネシア両国の外相は21日遅く、ミャンマーの首都ネピドー(Naypyidaw)で同国の当局者らと協議を行った。ミャンマーでロヒンギャ人問題は依然として感情的な反応を呼ぶ問題となっている。

 インドネシア外務省は声明で、ミャンマーが自国領内からの「移民の変則的な移動の防止対策の強化」に同意し、ジャカルタ(Jakarta)駐在の大使館員を最近インドネシアのアチェ (Aceh)州に上陸した難民たちのところに派遣する意向を示したと発表した。ミャンマー側は協議内容を明らかにしていない。(c)AFP/Kelly MACNAMARA