【5月19日 AFP】(一部更新)英国の4月のインフレ率は、前年同月比でマイナス0.1%と、1960年以降初めてゼロを割り込んだ。

 英統計局(Office for National Statistics)が19日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で0.1%低下。インフレ率がマイナスに転じたのは、1996年のCPI導入以降でも、1960年以降の比較統計でも初めて。ONSが実験的に作成したデータによると、CPIが最後にゼロを割り込んだのは、マイナス0.6%だった1960年3月だという。

 2月、3月のインフレ率はゼロだった。4月にマイナスに転じた背景には、空輸・海上輸送を中心とする輸送サービスの落ち込みと、イースター(復活祭)が例年よりも早かったことがある。

 英経済のデフレ期到来が懸念されるが、今月の英総選挙で勝利した与党・保守党のジョージ・オズボーン(George Osborne)財務相は、インフレ率のゼロ割れは家計にとって「朗報だ」と述べ「イングランド銀行(Bank of England)総裁が先週述べたように、これを有害なデフレと捉えるべきではない。食品や燃料価格が下がることによる家計への好影響を歓迎すべきだ」「デフレリスクには警戒を続ける必要があるが、わが国の制度はそれが生じても十分対応できる」と語った。(c)AFP